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  • 2007.12.13 Thursday
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一定期間更新がないため広告を表示しています


田舎へ行こう

久しぶりに帰った生まれ故郷、そこはすっかりその形を変えていました。

生活用水が流れ込んでいることなどお構いなしに潜り、魚を獲っていた川は人工的なせせらぎをたたえるようになっていました。おたまじゃくし獲り放題だった田んぼは野草が生い茂り、通学路だったあぜ道は跡形もありません。

あれだけ緑色がいっぱいだったところは、コンクリートのくすんだ灰色ばかりになっていました。

幼少の頃、あれだけ「田舎だなぁ」と疎んでいたのに、今では懐かしむことすらできません。

変化は世の常。

母の実家は宮崎県のとある町。

ふるさと

大きな河では鮎釣りが解禁されていました。

ふるさと

ふるさと

ふるさと03

河を渡す一本橋、夜になると街灯にありとあらゆる昆虫が酔っていました。

ふるさと05

奥に見える山々は、『日本一星の見える町百選』や『湧水百選』にも選ばれ、移住者が後を絶たないところ。

ふるさと

そして母の実家は相変わらず、その色だけで夏を知らせてくれました。持て余すほどのカブトムシを追いかけたあの頃とほとんど変わっていません。

あれだけ疎んだ場所は、とてもとても素敵なところに思えました。

変わっていくものと変わらないもの。その境界線は一体なんなのでしょう。

旅の終わりにふさわしい場所〜アンテケーラ後編〜

「山登りをする」そう聞かされていた僕らは、それこそ険しい山をひたすら頂上目指して登る過酷なものを想像していた。ただでさえ高所恐怖症の僕は憂鬱になっていた。過去、何度か登山というものを経験したことがあったが、正直、その醍醐味が理解できなかった。ただただ怖いと。

このエル・トルカールという場所はどこまでも広く続く岩山といったところ。これなら怖れるに足らない。まさかロッククライミングするわけじゃあるまいし。

それぞれリュックを背負い、いざ冒険のはじまり。どうやら初心者用と上級者用の2つのコースがあるらしい。僕らに楽しんでもらおうと気を遣ってくれたホセたちは、迷わず上級者コースを選択。いや、気を遣うなら初心者コースだろ。

いざ出陣

一応、自然とできた道があり、そこをホセたちの後に続き歩く。

岩山〜トルカール〜

岩山02〜トルカール〜

360度岩山。長年に渡る侵食によって形成されたカルスト地形。駅にアンテケーラの名物としてデカデカとPR広告が出ていたのも納得の光景。

「なんだかドラゴンボールで悟空とべジータが初めて闘った場所とすごく似てない?」と、友人Kに同意を求めるも「そうかぁ?」と気のない返事。僕の頭の中では2人が闘ってる画しかないんだけどなぁ。

歩き始めて5分。早くも1人の男が音をあげ始める。「もう疲れた〜」パコ、しっかりしろよ。グーグーは意気揚々と歩を進めているではないか。

ホセたちは全く意に介さず。ずんずん進む。順路なんてあったもんじゃない。寄り道につぐ寄り道。自然児そのものの彼らは岩山を登っていく。

「YUKI!こっちに登ってこいよ!」いやいや、怖いって。意に介してもらえない。

友人Kも道連れにして果敢にアタック。

岩山04〜トルカール〜

登る価値あり。いい眺めだ。

この上級者コース、所要時間はおよそ3時間。ただし、寄り道しないで。このペースだと先は長いな。もうパコはホセたちに見向きもしない。彼らが寄り道するとすぐさま休憩。従順なグーグーは飼い主様にぴったり。

「YUKI、この岩、何に見える?」人の横顔っぽいく見えるね。
「そうだろ〜。やっぱりそうだよね」嬉しそうなホセたち。

岩顔?

どうでもいいけど、これ、どうみても誰かが置いたでしょ。

40分ほど歩いてようやく一休み。水分補給。ビールなんて飲む気にならない。疲労が襲う。5分もしないうちに元気いっぱいのホセ軍団は腰を上げる。ホントに一休み。

岩山03〜トルカール〜

周りの風景がたしかに歩を進めていることを教えてくれる。表情が少しずつ変わってくる。同じ岩山なんだけど、不思議と飽きない。

苔生す

岩山05〜トルカール〜

アラビアン・ナイトの一場面のよう。この谷底には金銀財宝が・・・。

どんどん進む

ホセたちって映画『スタンド・バイ・ミー』の4人組みたいだってことで、それぞれ役柄を設定して、友人Kと盛り上がる。彼らは何を見つけに行くのやら。鉄橋で足を取られて列車に轢かれそうになるのは・・・パコだな。

それからひたすら歩き続け、やっと昼食タイム。木陰でボカディージョにかぶりつく。パンとハムとチーズの味しかしないけど、美味い。すぐに平らげる。「疲れた疲れた」しか言わなくなってたパコは自分のボカディージョでは満たされなかったらしい。僕のをあげる。「YUKI,本当にありがとう」と、言いつつ「あ〜僕、このハム嫌いなんだよね」すぐさま返却。贅沢なヤツめ。みんなから罵倒される。爆笑。

どうやらゴールは目前のよう。胸いっぱいに空気を吸い込む。旨い。疲れてはいるけれども心地良い。

ゴール目前、ホセたちがまたもや寄り道。

登ってます

最後は強敵。これを登っていく。信じられない。あっという間に姿が見えなくなる。同時にパコの姿も見えない。彼はすたすたとゴールへ向かって一直線に歩いていっていた。

僕らも最後の力を振り絞って、別ルートから岩山に挑む。これが正解。そこは左側にエル・トルカールが一望できる場所。

全貌

全貌02

全貌04

さらに

シエラネバダ山脈

遠くにシエラネバダ山脈の雪も見える。

そして、右側には

絶景

小さな町と緑が眼下に広がる。言葉を呑むとはこういうときに言うのだろう。厳密に言えば呑むほどの言葉もでない。

だが、そこは文字通り断崖絶壁。さすがの友人Kも膝が笑うらしい。

怖い

しばらく崖っふちに座り、2人、話し込んだ。とても穏やかで余計な雑音のない場所。たわいもない会話だったけれど、なんだかとても貴重に思えた。

全く別の道を進んでいく僕ら。これから先、変わらず関係は続いていくだろうが、おそらく友人Kとこうして2人だけで旅をすることなど後にも先にも2度とないだろう。10年以上の付き合い、感傷的になったわけではないけれど、感慨深かった。あっという間だったけれど、こいつと旅ができて良かった。素直にそう思えた。

しばらくして、ホセたちが合流。

お疲れの様子

スタンド・バイ・ミーのメンバーもさすがに疲れた様子。誰も喋らない時間が過ぎ、やがて気づけば、皆で無邪気に石の投げ合い。彼らが向ける屈託のない笑顔が妙に嬉しかった。

下山。帰りの車中。友人Kはサングラスを口元までずらしながら熟睡。ゲラゲラ笑いながらイタズラをするホセの友達。打ち解けるってこういうことなんだろう。

ラ・ホージャの街に着き、僕らはパコとディーンと昨夜訪れたBARへ。ディーンの大好物の海老を食べながら酒を呑み、語り合う。夕日が暮れ、旅の終わりが近づく。

23時過ぎ、疲れもピークに達した僕らは夜中の2時のバスの時間までホセの部屋で眠らせてもらうことに。なんだか久しぶりに訪れたような静かな時間とともに今回の旅終了。

このあと、とんでもない事件が起きたのですが、それは番外編として改めて書きます。

最後に友人K。おまえと旅ができて本当に良かった。ありがとう。

友へ

「我が友の人生に幸あれ」














素晴らしき哉、この世界〜アンテケーラ中編〜

7時30分、パコの囁き声で目が覚める。ホセとパコの故郷、ラ・ホージャ2日目の朝。パコは演奏会に演者としてマラガ近くの街に行くため、この日は早起き。おそらく昨夜は眠りについたのは3時過ぎぐらい。おまけに友人Kとのシングルベッド2人使用。パコが出て行ったあと、8時過ぎにホセに促されるまで友人Kと僕はギリギリまで粘って布団の中にいたが、疲れが取れていない。

「YUKI、起きたらすぐに買い物に行くから」何を買いに行くんだよ?と頭の中では思っても「あぁ」としか応えられない。こんな日に限ってスケジュールぎっちり。

ホセのお母さんの煎れてくれたコーヒーでなんとか目を覚まし、ホセの運転する車に乗り込む。快晴。昨日は日も落ちていたので分からなかったが、緑の芝生はとても青く、そこで犬が走り回り、プールの水が光っている。いいところだ。

街に降り、小さなパン屋へ。レジに立っている女の子はホセたちの同級生。なるほど、合点。僕らはこの日、山に行くことになっていて、その山で食べる昼ごはん用のボカディージョ(スペイン版サンドイッチ)の買い出しだったわけだ。言われるままにフランスパン(スペイン版サンドイッチ用のパン)を買い、次はおばあちゃんが切り盛りしている小さな小売商店。

ここももちろん顔見知り。ハムとチーズを購入。と、友人Kがスプライトが飲みたいと注文。1缶購入。なんだか底が錆びてる。さっそく一口飲んだ友人Kが、炭酸が喉を潤したのとは違う渋い表情をする。

「これ、ちょっと味がおかしいよな?」どれどれ。う〜ん、俺にはそんな違和感ないけど。念のためと思い缶底の賞味期限を見てみる。

2004年3月・・・

ますます渋くなる友人K。店から出てきたホセに告げると、大爆笑。

「ああ、そんなことしょっちゅうだよ。ギャハハハ」笑うしかない。友人Kも呆れ笑い。ホセは中身を全部捨てそっとその商店の入り口の脇に空き缶を置いた。ホセの家に帰った後、お母さんに告げると「あら〜またあったのね。でも、そういうことはちゃんと言って替えてもらわないと」と言っていたけど、多分、代えたところで同じなんじゃないかな。

買い物を終えると、ホセの友達を迎えに行く。羊が十数頭いて、馬が僕らの車とすれ違う。あっという間に車は定員オーバー。トランクにも1人乗っている。みんな意に介さず、笑い合う。しばらく経験してなかったな。こういうの。

ギュウギュウ詰めのままホセの自宅へ。すぐさまボカディージョ作り開始。

包丁でフランスパンを縦半分に切って、ハムとチーズを挟む。ホセのお母さんからビールも頂く。もうすっかりピクニック。友人Kと僕、それぞれ2つずつのボカディージョを作り、貸してもらったリュックに水とビールとともに詰め込む。もうそれだけで楽しい。いつ以来だろうか。この歳になって経験できる幸せ、最高。

正午前、ホセ宅出発。途中、演奏会に行っているはずのパコが愛犬のグーグーを連れて合流。なんでも、目的地に行ったはいいものの、待ち合わせ時間に間に合わず、引き返してきたとのこと。いかにもパコらしい。昨夜、自分だけ山登りに参加できないことをあれだけ悔やんでたのに、普通に参加してる。ちゃっかりボカディージョも買ってるし。

愛犬グーグー
パコが溺愛するグーグー。

パコは当然のように助手席に乗り込もうとするも、しばらくホセと押し問答。どうやらグーグーを乗せることに反対している様子。「ええじゃないか。ええじゃないか」と言わんばかりに半ば強引にパコ&グーグー乗車。頭を振るホセ。

とはいえ、パコを茶化す声と笑い声を号令にエル・トルカールに出発。

ギュウギュウ詰め

普通車に大の男6人+犬一匹でいざ出発。

道

一面の青い空に見守られながら、沿道にはどこまでも続く緑。そこに走る一本道。田舎独特の香りが鼻をくすぐり、聞こえてくるのは笑い声。世の中捨てたものじゃない。素敵じゃないかと、本気でそう思える。

車窓から

走ること40分。ついに目的地のエル・トルカールに到着。

エル・トルカール

結果的にここエル・トルカールが今回の旅でもっとも印象に残った場所となった。

つづく。





スペイン人の統率性にはイングランド人も日本人もタジタジ〜アンテケーラ番外編〜

尻切れトンボのつづき。

酔っ払って収集がつかなくなる前に、ホセとパコに確認しておかなければならないこと話題を振る。それは友人Kが帰国する日曜日(明後日の明朝7時の便)にどうするのがベストかということ。

僕らは当初、帰国日前日の土曜日にマラガに前乗りするつもりでいた。しかし、ホセが今回のラ・ホージャ訪問を持ち出してからは、ホセとパコの「大丈夫。俺らがなんとかする。ラ・ホージャで色々するんだから、そんな1日もいないなんてダメだよ」という、これっぽっちも根拠のない自信に任せっきりにしていたのである。

で、話を振るも、案の定、話は一向に進まず。まずパコはずっとハイジ状態。ホセもそれを見ながら腹を抱えて笑ってる。

挙句、彼らの友人がトランプゲームをしようと言い出す始末。「待て〜〜い!!その前に話をするんだろ!?」と、念を押してやっと議論開始。

あ〜でもない、こ〜でもない。いやいや、だから〜・・・う〜ん・・・。

み〜んな言うことが違う。統率の取られていない親切心ほど性質の悪いものはない。しかも、彼らは一旦グラナダに戻ってからマラガに行くものだと思い込んでいたらしい。いや、一言か言ったか?そういうこと。僕のスペイン語力が乏しいが故かもしれないけど、言っていない。

結局、「アンテケーラからマラガまでは深夜バスが走っている“はず”だ。明日確認してみよう」で会議は終了。

友人Kによると、スペイン語のできないディーンは、その一部始終を半ば呆れ顔で眺めていたらしい。そして、こう言い放った。

「お前ら(スペイン人)の統率性のなさは、ある意味すごいよ。あの調子で1時間ず〜っとワーワーギャーギャー皆で、しかも同時に喋り続けるんだろ?考えられない」

たしかに。ディーンの言うとおり。スペイン人は皆一斉に喋る。日本のテレビ番組『朝まで生テレビ』みたい。みんな一斉に喋るもんで、なかなか話が前に進まない。

こっちのサッカー番組も司会・進行役も一緒になってギャーギャー言うもんだから、テーマなんてあってないようなもの。話が横道に逸れたら、逸れた先でやりあう。

ディーンにはそれがたまらなくもどかしいみたい。スペイン語が喋れないからなおさら。
その後のディーンは身振り手振りで、スペイン人のモノマネをし、そのモノマネはマフィアに移り、最後は「いっつも俺はここで1人で酔っ払うんだ。なぜって?スペイン語ができないから。ギャッハッハ」とそれも身振り手振りで愚痴る。

そのジェスチャーはものすごく大袈裟で表情豊かで非常に面白いのだけど、だからこそたまに見せる寂しそうな表情が際立って映った。でも、スペイン語喋れるようになろうとはしないだろうな。その気がないものな。

1時を過ぎた頃、友人Kのカラータイマーはピコンピコン鳴り出し、会はお開きに。そりゃ、疲れるよ。日本語も英語も全く通じないところ。英語も久々にちゃんと使ったから、なお一層、疲れたみたい。

さあ、帰宅。あれ?なんでパコが車に同乗?あれ?なんでホセの従兄弟のサルバがバイクで前を走ってるの?

あれ?あれ?おまえらもホセの家に泊まるの?

ホセの部屋にはシングルベッドが2つ、広めのソファーベッドがひとつ。ソファーベッドに2人寝るとして4人が定員。でも、部屋には5人。

ホセは言う「ユウキと友人Kはベッドで、僕とサルバはソファーベッドで寝る」パコは?
「床で」あ、そう。一番身体がデカく、しかも明日は演奏会で早朝に起きないといけないパコは床ですか。「パコはおまえらの1つ年上だろ?」という日本人的なツッコミは通用しない。

しかも、パコに用意されたものは小さい二つの座布団。寝られるわけない。

パコにベッドで寝るように勧める。丁重に断るもベッドで寝たいであろうことは見え見え。何度目かでやっと、嬉しそうな表情を受かべる、パコ。

ホセとサルバはもう寝たいという友人Kと僕に「1回だけ」としつこくTVゲームでの対戦要求。ルールも何も知らず、教えられたまま参加。見事に噛ませ犬になる日本人。ムキになる日本人。結局、何ゲームもしてしまう。

就寝。僕と友人Kは狭いシングルべッドで仰向け禁止ルールを用い、明日のアウトドアに備える。

そういえばホセはディーンも泊まりに来るように誘ってたな。何考えてたんだ?

強敵

翌日挑む、強敵です。

後編につづく


ラ・ホージャ、人口300人足らずの小さな村は笑顔いっぱい〜アンテケーラ前編〜

ロンダから電車で1時間、アンテケーラに到着。駅も駅から見える街もこじんまりとしている。「ここが普段、ホセとパコが話してくれる故郷か」と、なんだか感慨深くなる。その2人はあと30分後にグラナダからアンテケーラに着くらしい。

アンテケーラ

しばし、待つ。用を足しに行った友人Kが憤慨しながら、ドアが開かないと訴える。たしかに開かない。駅員に聞こうとするも駅員室に人影見当たらず。受付で呼びかけるも応答なし。そうこうしているうちに僕ももよおしてきた。

「だーっ!もう!」我慢しきれなくなったのを見計らったかのようにやっと駅員、顔を出す。なんとここの駅のトイレは鍵がかかっていて、駅員に許可をもらわないと使えないようになっている。しかも、ドアには『駅、利用者以外は使用を禁じる』の文字。恐れ入った。

30分後、ホセ到着。母親が迎えに来てくれていた。久しぶりの再会。僕が風邪を引いた時、何も言わずにあったかいココアとみかん、風邪薬を部屋まで持ってきてくれた時以来。優しい人。

パコもいた。あれ?顔、真っ赤っ赤だけど。しかも表情に覇気がない。明らかにお疲れモード。ゲラゲラ笑いながら、理由を聞いてみると、どうやら昨日、シエラネバダ山脈に友達とスキーをしに行って、思いっきり焼けたらしい。おまけに初めてのスキーということで、地面と顔を合わせてばっかりだったよう。笑いが止まらない。

しかも、まだお迎えが来ていないとかで、ずっと「僕のお母さんはどこ?」と悲しげな子猫のような目をしていた。面白すぎ。

僕らは夜に再会する約束をして、ひとまずホセ家へ。車中、闘牛場やサッカー場、教会を教えてくれるホセママ。闘牛は嫌いだって。「あんな残酷なこと、わざわざ殺すところなんか見せなくていいのに」ごもっとも。でも、僕は見たいのだ。

10分も走れば、辺りに民家はなくなり、ひたすら草原や畑が続く。「どこに連れて行く気だ??」と友人Kと顔を見合わせる。それにしても、運転席と助手席に座る親子、仲睦まじい。少々気が強いけど、どこか抜けてそうな母親と、成人とはいえ、まだまだ子供っぽさが抜けない穏やかな性格の息子。2人でクスクスっと笑う姿が微笑ましい。

永遠に続きそうに思えた、うねうね道をホセの自宅で飼ってる6匹の犬の話を聞きながら気を紛らわしていたが、効果なく酔ってしまった。隣の男の顔色も青ざめてる。

20分ほど走ると小さな町の明かりが見えてきた。ここがホセとパコの生まれ故郷、ラ・ホージャ。本当に小さな町。人口300人ほど。ホセの自宅はそこから少し登ったところ。町を見下ろすところに建っていた。きれいに刈り取られた芝生、小さいけれど立派なプール。そして、ロッジ風のかわいい家。嘘みたいに素敵なところ。

友人Kと僕は目を丸くするばかり。と、車を降りると犬、犬、犬。その吼え方は噛まんばかり。ホセに大丈夫と言われても、過去に3度も犬に噛まれた経験を持つ僕には全く説得力がない。

実家で3匹の犬を飼っていた友人Kは、あやそうと唯一の室内犬のロロに手を差し出す。
悲鳴と咆哮が同時に。噛まれそうなる。怒られるロロ。それ以来、友人Kとロロは最後まで心通じ合わず。なんでも、以前、ロロは知らない人に顔を何度もぶたれた経験があるらしく、それ以来、手を出されることに敏感になったんだそう。かわいそうなロロと友人K。

室内へ。ホセの父親登場。カウボーイハットをかぶり、ネルシャツにブーツ。かっこいい。どこぞのちょいワル親父なんて目じゃない。しかも穏やか。そりゃ、ホセがぐれるわけない。暖かい家庭の雰囲気が充満している。ホセママの暖かなホスピタリティ精神でおやつをお腹い〜〜っぱいご馳走になる。

ホセの部屋に荷物を置き、ホセの運転で町へ。

以前、書いたイングランド人のディーンと久々の再会。パコとディーンはお向かいさん。2人はすでにビールを煽ってご機嫌。相変わらずのディーン。テンションが高い。最近ハマッているという『ロス・ソプラノス』というマフィアドラマを熱く語る。パコは・・・目が座ってる。完全に酔っ払っている。友人Kもやっとしっかり英語が喋れる相手が見つかった。

近所の女の子のPCを修理していたホセも加わり、いきつけらしいBARへ。

道中、セビージャ・ダービーの話からディーンが「ユウキはフーリガンだ。フーリガン」と、しつこい絡み。調子に乗ってフーリガンっぽい仕草をしたら意外と大ウケ。分からん。

人口300人の町のBAR。お客はみ〜んな顔見知り。そんな中に突然東洋人2人がやってきた。視線の集まり方が半端じゃない。最近ではある程度慣れたつもりだったけど、ビッシビシ感じる。日本人、アジア人であることを再確認。

ホセとパコの友人も集まってワイワイやる。ほとんどスペイン語の喋れないディーンは、友人Kを捕まえて嬉しそう。完全に酔っ払ったパコは、アルプスの少女ハイジの主題歌を歌い始める始末。でも、なぜか面白い。日本語の歌詞を教えると途端に意味不明の歌詞を歌いだす。さらに面白い。これ、当事者、しかも酔ってないと絶対面白くないことはたしかなんだけどな。

尻切れトンボですが、この後も一悶着あったんです。続きはまた次回。



絶景は危険と隣り合わせ〜ロンダ後編〜

闘牛場を十分に堪能し、いざヌエボ橋へ。

闘牛場に隣接する展望台から回って行くことに。

飛行機雲’s

空には数本の飛行機雲。まるで同じ方向を目指して飛んでいったかのよう。初めて見ました。

快晴、心地よい気温、そして絶景。文句なし。ロンダに着いてから何度、口にしたかわからないが、早くも「来て良かった」を連呼する僕と友人K。「ここを嫌いな人はいないんじゃないか?」などと話していたら・・・いました。

楽しんでない人が。

拗ねる男の子

ず〜っと拗ねてました。サングラスかけて、絶景に背を向けて。ま、たしかに僕があれぐらいの歳に連れて来られても拗ねただろうと思う。だって、解らないもの。絶景とかヘミングウェイとか・・・。5分で飽きただろうな。

でも、その拗ねっぷりが親の逆鱗に触れるんですよね。「せっかく連れてきたのに!ちゃんと見なさい!」とか言われて。挙句の果てには「自分から言い出したくせに」とか。そりゃ、子供は未知の物にはなんでも興味を示すけど、本当に見たいかどうかは別問題。難しいところだけど。強要されても、絶対、楽しめない。

だから、「子供には早いうちからいろんな物を見せないと」とか思わなくていいんじゃないかと、時が経てば自然と興味を持ちますもんね。

で、そんな子供が大きくなった僕らは感嘆の声を上げっぱなし。自然と解るようになるもんです。

崖

昨日の夕暮れ時とは違う表情を見せる。崖の肌もはっきり見て取れる。

崖02

しばらく歩き、ヌエボ橋へ。初めて橋を渡る。高い、深い、怖い。でも、すごい。

崖の上の家々

崖の上のレストラン〜ロンダ〜

ロケーションとしては最高のレストランだろうけど、僕は怖くて食事どころじゃないだろうな。わざわざお金払って怖い思いするなんて。

橋を渡り向こう側の展望台へ。

そこから見える風景はまた異なる表情。

ロンダ

ヌエボ橋〜ロンダ〜

セビージャでデジカメが息絶えた友人Kはこの絶景に堪らず、代打の使い捨てカメラを投入。27回しか打席に立てない。代打、使い捨て。慎重にシャッターを切る監督、友人K。

「いや〜これ、下に降りたいものだね〜」「降りられませんかね〜」などと、絶景に好奇心を掻き立てられる僕ら。最初渡ったところに降りるところがあったが、金をとりやがる。2ユーロ。渋る2人。

「自力で行けませんかね〜」「ほら、あそこ道あるし」崖下に見えるその道は幅1m、手すりも何もない。もう自分が歩いていると想像するだけで、怯えまくる。

しばらく橋の向こう側(旧市街)を散歩。

水飲み場

シエラネバダ山脈を抱えるグラナダ(水がきれいで有名。水道水飲んでも問題なし)ではよくみかける水飲み場もある。ここロンダもきれいなのか。さすがに試す勇気はなし。

ロンダの地図を見ながら、旧市街側の崖を目指す。数分で崖ふちの小さい広場に到着。流しのギター弾きの男性がアルハンブラを弾いている。すぐやられる友人K。イチコロ。

しばし、耳を傾ける。すると、『さくら』の音色に。気を利かせたのか、商売心か抜け目ない流しのギター弾き。談笑。あえなく、2人ともCDを購入。勢いは大事。

「おい!下に降りられるっぽいぞ」友人K。たしかに、でも、見るからに怪しい。危ぶむなかれ、行けば分かるさ。歩を進める。

くねくね道をどんどん降りていく。途中、オランダ人夫妻と遭遇。

「もう少し先に行ったら、2人の男性がいる。彼らに話しかけたら良いものが見られる」

なんだか、冒険ゲームの主人公になった気分。ゲームに疎い友人Kにそれを伝えてもピンと来てなかったけど。それにしても、あのオランダ人夫妻、ものすごい息の切れようだったな。そんなに過酷なのか?

証言どおり男性2人が小さな小屋の前で出迎える。スペイン訛りの片言の英語で話しかけ、友人Kは英語で、僕はスペイン語で返す。

「ここから先、すごい絶景。でも、何もないから気をつけないと、まっ逆さま。死んじゃうよ。こっちとそっち。どっちでも」

タダらしい。でも、気持ちだけ払う。2人で1ユーロ。気持ちだからプライスレス。

まずは彼らの庭を突っ切っる方。

崖肌〜ロンダ〜

道と呼ぶにはあまりにも未舗装。しかし、そこから見える風景は素晴らしい。

ヌエボ橋(下から)〜ロンダ〜

崖肌〜ロンダ〜

崖肌もはっきり。

進めば進むほど、道は細くなり、崖下が眼下に。恐怖心が顔を出す。そんな僕にお構いなしに友人Kはずんずん進む。みるみるうちに声は遠くなり、やがて聞こえなくなる。不安になるばかり。

怯えに怯え進む僕は変な洞窟に。足元はぬかるみ、下水のような臭いが鼻腔に触れる。
「おい!どこにいる!?おい!」
「おい!お前、どこ行ってんだ?こっちすごいぞ!」は?

なんと友人Kは全く別の方にいた。もうヌエボ橋をくぐり、向こう側に行っている。

気づけば靴はどろだらけ。

ヌエボ橋(下から)〜ロンダ〜

まさか真下から見上げるとは。巨人のよう。

ヌエボ橋の下

橋をくぐり、

未開の地へ!?〜ロンダ〜

岩に囲まれた小さな小道を抜けると、そこにはドブネズミがうようよ。

橋の上から見た風景はあんなに美しかったのに・・・。現実って得てしてこうですよね。

ヌエボ橋の下の川〜ロンダ〜

小川もなんだか汚いし。社会の縮図を見た気がする。上はあんなに豊かで美しかったのに、下はそのしわ寄せがきているかのよう。

ヌエボ橋(下から)別アングル〜ロンダ〜

とはいえ、見上げるヌエボ橋は圧巻。

いろんな感情が入り混じりつつ、踵を返す。

途中、またも友人Kが良からぬことを。「あの小道はさすがに怖いぞ」幅30cm。

幅1m

膝が笑う。

やっとこさ、先ほどの小屋に。そのままもう一方へ。

ドラクエ?〜ロンダ〜

故郷を想起させる。

そこは本当に一歩間違えれば死んじゃうところ。

ヌエボ橋(俯瞰)〜ロンダ〜

でも、今まで一番の絶景ポイント。怯えつつ、撮影会。おい、友人K、なんだかんだでお前の表情もちょっと引きつってんじゃないか?

一輪の花

崖の先端に一輪の花が咲いてました。

恐怖心と満足感が入り混じりつつ、帰る。あれ?こんなに険しかったっけ?というぐらいかえりの坂がきつい。2人とも青息吐息。

帰るときに初めて気がついたのだが、入り口には『立ち入り禁止』の文字が。そりゃ、そうだ危険だもの。足を踏み入れてはいけなかったらしい。そういえば、皆、その看板を見て立ち入ろうとしなかったな。でも、気づかなかったんだから、しょうがない。時効でしょ。

その後、友人Kの願いどおりパエージャに舌鼓を打ち、電車の駅へ。

向かうはアンテケーラ。ピソの同居人、パコとホセの故郷へ。これがまた素敵なところでして。それはまた次回。









主役のいない闘牛場〜ロンダ中編〜

ロンダ2日目、11時起床。ロンダでの滞在時間はあと半日しかないというのに、随分に呑気である。昨晩、スーパーで買った値段だけ高い簡単な夕食をさっさと済ませ、明日の本格的な観光に備えるべく、12時には床に就いたというのにだ。

12時には確かに床に就いた。しかし、それからがまずい。僕と友人Kはどちらからともなく、中学時代の友人の近況などを話し始め、「へ〜」「あ、そ〜う」「なに!?結婚!?」などと話しているうちにどんどん盛り上がっていき、たまに社会情勢や日本経済へと話は脱線したものの、気づけば中学時代の馬鹿話や初めての出会いの衝(笑)撃さなどで腹を抱えて笑い転げていたのである。

もうそれこそ何十回と話したはずなのに、会えば何度でも話してしまい、爆笑してしまう。例えそこがスペインのロンダという街だって変わらない。むしろ、忘れていたほど。

あれだけ疲れていたのに結局、3時間以上も話し込み、寝たのは4時前。11時起床も当然。でも、それでいいし、それがいい。それでこそこの旅の意味があるというもの。

さて、荷物をフロントに預け、近くのBARでこの旅の日課となったコーヒーを啜る。僕はコーヒーに対して全く拘りはないのだが、友人Kが・・・うるさいうるさい。カフェ・モカがお気に入りらししいのだが、スペインで味わうコーヒーは彼を満足させてくれないらしい。一口啜って、必ず首を捻る。でも、必ず全部飲み干す。大人になったな。友人K。

ロンダ出発予定は17時。「まだ5時間もある。余裕、余裕」で満場一致した僕らは闘牛場が見学できるということで、崖っぷちや橋の前に闘牛場に寄り道することに。それにしても、サッカー場と闘牛場は本当にどこの街にもある。

青い空、白い闘牛場

1階席

「おお〜」。中に入った瞬間、感嘆の声を上げる。円形の闘牛場と青い空。きれいなのだ。実際にマタドールと牛が闘う場に足を踏み入れるも、闘牛からイメージされる獰猛さや血なまぐささ、勇敢さといった類のものは一切感じられない。やはり、主役がいないだけで、こうも変わるものなのだろうか。

ここから牛が・・・

牛が登場する通路。ここからはいくばくか感じる。

ここから牛が・・・02

さらに牛がその出番を待つ小さい牛舎へ歩を進めると、ますます感じる。死を。牛たちはここで死を待っているのだ。

続いて2階席へ。

2階席へ

スペインは細かいところに凝ったデザインをしたりする。この階段もそう。

凝ってます

こんなところでも楽しませてくれる。粋な演出。

闘牛場

闘牛場のチケットは日陰席と日なた席で大きく2種類に分かれている。安いのは日なた席。理由は単純。暑いから。

静かに観戦

で、ここがおそらく日陰席。スペインで唯一、実現できなかった闘牛観戦を惜しむかのように、友人Kはしばらく席に座って、闘牛場を眺めていた。頭の中では自分がマタドールになって・・・るわけないか。こいつはそういう奴じゃないものな。

しばらくしたら、撮影会の開始。いい歳した男2人が、闘牛のお約束のポーズを連発しながら、写真を撮りまくる。

「はい、ここで牛が迫って来た!!っていう体で」とか、「いや、もっと怯えた表情だろ」とか・・・。他にも観光客がいたけど、間違いなく誰よりも楽しんでいたね。ゲラゲラ笑いながら。

闘牛場を後にし、次はちょっとした展示室へ。

頭蓋骨

入ってそうそう。牛の頭蓋骨。

歴代の牛たち

今度は剥製。よく見ると、耳がない。これは牛もマタドールも素晴らしい闘いをした証拠。獰猛で迫力満点の牛を美しく仕留めたマタドールに対して観客は白いハンカチを振り、その歓声やハンカチが多いと主催者が判断すれば、褒美として、仕留めた牛の耳をもらえるらしいのだ。

話は逸れるが、サッカースタジアムで振られる白いハンカチは非難を意味し、闘牛場で振られるそれは賞賛を意味する。どちらも“降参”や“参った”ではあるが、正反対を意味するのだから面白い。

銛と剣

そして、これが、牛の脊髄に刺す銛と剣。銛には抜けないように、しっかり返しがついている。

銛はマタドールの助手が1頭につき2本刺し、剣は“真実の瞬間”と呼ばれ、闘牛に「優雅な美しい死」を与える、その時にマタドールが使う。しかし、1剣で死を与えることは非常に難しく、何回も刺しているとなぶり殺しの感があり、"ブーイング"を誘うらしい。できるマタドールは1発で仕留める。

牛と衣装

衣装も美しい。

歴史に名を残した牛

おそらく歴史に名を残すほどの勇ましさを見せた牛の像(名前は忘れたけど)。

ポスター

ポスター02

ポスター03

ぽすたー04

ポスターのデザインもなかなか洒落ている。

牛VS犬

昔は犬VS牛のブル・ファイトも開催されていたようだ。

スペインに興味を持ち始めた頃、僕は闘牛が嫌いだった。「なぜ、公衆の面前で牛の公開処刑をスペイン人は喜ぶのか」と。「生き物を殺めるなんて」と、まあ、よく聞く理由によって。

しかし、何度かテレビでその映像を目にする度に、闘牛好きのスペイン人に解説してもらう度にだんだん見方が変わってきた。今では牛を獰猛で勇ましく、マタドールを美しいとさえ思う。

そもそも僕も友人Kもプロレスや格闘技、ボクシングが大好き。闘う姿に惹かれるのだ。闘いというものを憧れを持って見ているのだ。1対1で(プロレスはたまに違うけど)肉体を精神を削り合う。それは生と死をイメージさせ、そこに美しさを見出す。

闘牛とて同じなのではないか。闘牛は生と死をより鮮明に表現される。

今はまだ漠然としか書けない。生で自分の目でその闘いを生と死を見ないことには。

もうすぐ闘牛のシーズンが始まる。その時に改めて書こうと思う。

さて、1時間以上かけてたっぷり堪能した闘牛場の次はお待ちかね、ロンダ名物へ。
それは今度こその後編で。今日も長くなりました。すみません。

え〜明日はEL CLASICO(F.C.バルセロナVSレアル・マドリー)。ヨーロッパを代表するダービー・マッチだというのに、試合前のニュースは両チームとも暗いものばかり。

とにかくスペクタクルな試合を。お願いします。

ヘミングウェイも愛した崖の上の街!?〜ロンダ前編〜

セビージャ・ダービーが悲惨な結果になり不完全燃焼な僕と、スペインでの初めての単独行動時に見事に足元を見られ、ぼったくられそうになった友人Kは、セビージャに対してあまり良い印象を残すことなく、ロンダという街に向かった。

友人Kが訪西するということで、どこに行こうかと思案した僕は、知人のスペイン人に情報収集した結果、誰もがロンダという街を勧めてくれた。

彼らの意見を総合すると「とにかく良いところだ」と。
あとは崖がなんたらかんたら・・・

旅に限らず、あまり下準備というものをしない僕は、ロンダに関する、それ以上の情報を集めることをするはずもなく、何も知らない友人Kに「とにかく良いところらしいぞ。崖があるんだと。楽しみだな」などと、抽象的な説明。

友人Kも僕と同様に行き当たりばったり、用意周到なんて言葉がおよそ似合わない男。
「どれくらいかかるのよ?」と、ロンダ自体よりもロンダまでどれくらいかかるかが気になる様子。「分からん。でも、1時間ちょっとだろ」と、これまた抽象的な説明。

15時、セビージャを出発。バスから見える風景からどんどん近代的な建物が消えていく。1時間ちょっと経過。小さな町の小さなバス停留所に到着。「着いたんじゃないか?」と友人K。前の席のお婆ちゃんに聞いてみる。まだまだよと言わんばかりの返答。

そりゃそうだ。崖らしきものは遠くに見えるだけ。安宿すらないであろうこんなとこがロンダであったらたまらない。

うねりうねられどんどん自然の中へ。車酔いしやすい僕と友人Kにはちょっと過酷。
いくつか小さなバス停を過ぎた辺りで前のお婆ちゃんが「次がロンダよ」と教えてくれる。

それからさらに約40分。遠くに崖が見え、その上にかすかに住宅らしきものが見えてくる。うわ〜登りますな〜。うねうねを。友人Kはサングラスをしているため表情は読み取れないが、おそらく酔ってる。その牧歌的な風景は目を奪われるのだが、如何せん酔う。

6時前にロンダの駅に到着。結局3時間弱かかった。いや〜1時間だなんて、あまかったな。

早速、宿探し。バス停周辺にそれらしいもの見当たらない。バス停の職員に旅行案内所の場所を教えてもらい、向かう。友人Kはスーツケースを引いている。

案内所にてロンダの市街地図はもらったものの、職員の女性が電話をなかなか切らないため(客がわんさか待っているというのに!!)、業を煮やし、自力で宿探しをすることに。

上限は1人20ユーロ(約3000円)。これでも僕らには高いぐらい。星がついてるホテルなんかには用はない僕らは、ホスタルを探す。が、なかなか見つからない。

時間も時間だし、腹も減った。ダメもとで2つ星のホテルに伺いを立てる。

部屋はある。しかもツイン。交渉開始。あっさり20ユーロまで落としてくれた。くそっもっと低く言えば良かった。部屋を見せてもらい即決。

日も暮れかかった頃、ようやくロンダ名物を拝見に。

崖の上の家々

たしかに崖の上に家々が立ち並んでいる。

田園風景

崖の高さはおよそ100メートルらしい。極度の高所恐怖症の僕はその何倍にも見える。
しかし、その崖の上から望む田園風景は思わず深呼吸をしたくなるほど、牧歌的。

田園風景04

しばらく崖沿いを歩いていると友人Kが驚嘆の声をあげる。

「すごいものを発見した」なんだ?なんだ?
「お〜〜〜〜!!」

ヘミングウェイ!!

ヘミングウェイではないか。彼はスペインを愛していたと聞く。そんな彼がこの美しい風景を放っておくはずがない。『PASEO DE E HEMINGWAY』。直訳するとヘミングウェイ遊歩道。いや、絶対そうだ。ヘミングウェイはここを訪れたんだ。そして、この風景を目にしたんだ。

田園風景03

パセオ・デ・ヘミングウェイ

僕も友人Kもしばらく無言で風景を眺める。もう完全にヘミングウェイになりきっている。友人Kもそうだったろう。話さなくても分かる。

さらに歩くとまたまたロンダ名物が顔を見せる。

ヌエボ橋の上に浮かぶ月

新市街と旧市街を渡すヌエボ(新しいの意)橋。この写真では分からないがこれでも高さ100メートルはあるらしい(詳しい写真はまた明日)。

暮れかかった空に浮かぶ月。そういえば、東京では視界を遮られるものなく、月を見たことはなかったように思う。

ロンダの夕焼け

沈み行く日の光りを浴びて、白壁の家々も表情を変えていく。

ロンダの夕焼け02

僕と友人Kの共通した思い。「来て良かった」もうたった数時間で大満足。

日も沈み、そろそろお腹の方を満たしたくなり、明日のロンダ巡り本番に備え帰路に着く。

帰り道、友人Kがちょっとばかり失礼なことをした。ま、許される範囲。詳しくは書かない。でも、ウケたから良し。それを見ていた地元の子供たちには全くウケなかったけど。

ここにも闘牛

ロンダにももちろん闘牛場はある。友人Kが日本に帰国するその日にここロンダで今年初めての闘牛が開催されるようだ。無念、友人K。

椿っぽい花

名前も知らない花も咲いていた(これなんて花ですか?)

今夜は節約のためスーパーで安く済まそうとしたら、結果的に高くついた夕飯をさっさと終え、僕は夜のヌエボ橋を見るべく散歩へ。

酔っ払い、屈託のない笑顔で騒ぐ若者たちを尻目に目的地へ。

ライトアップされたロンダ名物

美しい。

何枚か写真を撮り、宿に帰ると、友人Kが湯船からこぼれるお湯を気にもせず、風呂場を水浸しにしながら湯船に浸かり、この日の疲れを癒していた。

ロンダ後編につづく